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2017年11月11日(土)「くう・ねる・のぐそ」講師:伊沢正名さん(糞土師)スライドレクチャー&フィールドワーク


えこども広場特別講座のゲストとして、糞土師(ふんどし)の伊沢正名さんが来られました。




午前中 スライドレクチャー、お昼 えこども式の持ち寄りランチを 伊沢先生と共にとり、午後の部は、東谷山を中腹くらいまで登っての 野糞に適した葉っぱを探すフィールドワークを行いました。
私は、リス山の保育園に通う子の父親ですが、のぐその話と聞いて、もともと おむつなしの育児を進めていた リス山の保育園でしたから、そこでつながるのかと漠然と捉えていました。しかし、伊沢先生のお話は育児のことに限らない、現代の社会が忘却している課題でした。
キノコ写真家として活動されてきた 伊沢先生は、「人々は、このキノコが食べられるかどうかばかりを聞く。」と、落胆されたと言います。
キノコが育つために、動物の うんこが必要であると伊沢先生はスライドをあげられました。
水コケが うんこをしている美しい写真があり、そのうんこはなんと酸素でした。
「現代は、うんこ の処理のため、重油や電気まで使って燃やしている。コンクリートの混ぜもの程度にしか活用できていなかったなんて!」
この状況に、我々が行えること、自然に返せることは「野糞をすることである」と、伊沢先生は続けます。
スライドレクチャー時には、聴講者から様々な質問があがりました。
「みんなが野糞をしたら、土地が足りないのではないか?」
「野糞には菌があって、汚いのではないか?」
先生は全て明解に答えられていました。

ランチの様子をご覧下さい。持ち寄りでみなさん色とりどりのごはんをお持ち下さいました。伊沢先生とおしゃべりしながらのランチです。






「自然に返せるのは うんこ だけ。」という言葉を聞いたとき、私は 思わず可笑しくなってしまいます。その微笑ましさは、どこから来るかというと、どこまでも突き抜けたシンプルな明解さではないかと感じられました。午後の部では、伊沢先生が愛用されている葉っぱ現物を紹介していただき、実際に山を歩きながら個々にお話を頂きました。最後には 野糞の方法、土の掘り方、足の開き方、誰かに見られたときなどから、災害時にトイレが使えなくなったときに、必要な能力や認識であることに話はわたりました。

午後のフィールドワークの様子です。







実際におしりふきに適した葉を触ってみます。







キノコだって!


今度は山へ葉っぱやこけを探しに出かけます。
















そして畑で正しいのぐその仕方をご披露頂きました!














サイン会も大盛況!




伊沢先生が糞土師として このように活動されているのは、すぐに社会を変えるようなものではなく、一人ずつ意識を変えていくような、草の根運動であると思います。しかし、誰もが うんこは しているわけで、言い逃れのできない命題ですから、それぞれが腹に据えて意識することになります。現代人が忘れてきたものなどという言い方は、もはや常套句になってしましたが、本当に うんこ の存在に現代人は 蓋をして、忘れてようとしているようです。
伊沢先生の著書に「糞」の漢字語源についての記述がありました。米に田に共 と書く。食物を生み出す田に入れるものと、昔、うんこは 認識されていました。
後日談ですが、私は 翌朝の早くに、家の庭で野糞をしました。葉っぱは、家庭菜園で育てている あずきの葉を数枚とりました。なかなか難しいもので、時間がかかってしまい、情けない気持ちになりました。それから、トイレでうんこをする度に、社会はどう変わるべきかという罪悪感をかき消しながら流しています。
レポート:村田仁
写真:えこども まさみ(途中少し、村田仁)