

撮影:青木写真事務所 青木孝夫さん
白い布を緑に染めていく児童たち 子どもたちに現代アートを楽しんでもらおうと、豊田市立則定小学校で31日、現代アート作家による出前授業が行われた。
8月に名古屋市で開幕する国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2010」の普及事業の一環で、トリエンナーレへの出展作家2人を含む6組のアーティストが県内の小中高校を訪問し、創作活動を行う。
この日、同小には、名古屋市在住の現代アート作家北山美那子さん(33)が訪れた。北山さんは、真っ白な大きな布に緑の塗料(草で作った汁(どくだみ、ささ、アジサイの葉、つゆ草、ユリの葉、ゆきのした、よもぎや染料)を塗って、木々に囲まれた自然あふれる同小の環境を再現することを提案。児童33人は、円形に広げられた布に、はけや筆だけでなく、枝やぬいぐるみを使って、自分の好きなように塗料を塗った。20分間の活動で、濃さの異なる緑が重なった味わいある作品ができ上がった。
6年の小塚研采君(12)は「大きな布に自由にペイント出来て、楽しかった」とうれしそう。北山さんは「育った環境ごとに『あるもの』と『ないもの』が違う。子どもたちに、自分の周りの環境を実感してもらいたい」と話していた。
授業は6月から本格化し、10月まで行われる。児童らが色を塗った様子を収めた映像は、トリエンナーレのメーン会場である愛知芸術文化センター(名古屋市東区)で披露される。
(2010年6月1日 読売新聞)