20080814

京都で考えて出た答え

交通費と貴重なお盆休みを使って、
考えにいった、解決法をみつけにいった。

京都芸術センターで「日本の教育に必要なこと=生きるために必要なコミュニケーション力と想像力を育てること」というシンポジウムに出席した。
わたしが今年初めにお世話になった、NPO「子どもとアーティストの出会い」代表の井手上春香さんのお誘いがあったおかげです。
私は、忙しさとおうちゃくさもあって、「今イギリスの事例だけではなく、日本の現状と課題に興味がある」とわがままを言って、二日間のシンポジウムの最後の討議だけに参加させてもらった。

冒頭に上映されたイギリスのコミュニティーダンス財団のプロモーションビデオが素晴らしかった。だから、やっぱり、イギリスの事例が今回の答えを導き出す力を与えてくれたので、とても満足している。

○ビデオでのキーワードメモ
「evidence実践して証拠を残すこと」が必要である。

プロのダンサーになるためではないけれど、少年院の子どもたちにプロと同じトレーニングをする。3週間、週5日、一日5時間。

荒々しく落ち着きのない子ども、静止することができない。静止することがダンスには大切だということを教える。静止することからはじめる。

transform
質の高いものを発表させることで、積極的になる、輝くようになる、自信がわく。先生がこれまで要求してきたことの意味がわかるようになる。

○討議でのメモ
日本の問題は何かという所に答えがあるのではないか。
課題に解決策があるのではないか。

○課題
クリアに効果が紹介されていない現状

ビデオや写真はただ撮りっぱなしで、見直したり編集する所までいっていない。

口コミで伝わる程度で、教師、教育委員会や行政まで活動が伝わっていない。

自己評価までできていない。

教師同士のネットワークがない。時間がない。

変わった先生がいるな~という程度で効果が広まらない。

自治体に資料を出しても、内容に興味がない、予算だけをみているので、モチベーションが下がる。

行政は三年おきに、担当者が変わってしまう。予算組や知識の積み重ねが崩れてしまう。

「スクールアート」と「アート」に分けてしまった義務教育の落とし穴。

○解決策
各活動をしている人が、短くて効果やメリットがわかりやすいプロモーションビデオをつくること。素晴らしいビデオじゃなくていいから。

子どもたちの顔色が変わるということで、効果を見せることができる。
予算や助成金、投資家をみつけ、活動を継続させる事ができる。
あらゆるところからお金を集めて活動をするぞというpassionが大切。
影響力を行使する人に伝わる。わかってもらえる。アートをツールに問題解決していくような活動を広める。

○解決策2
学力低下問題で学校の授業の中でアートを取り入れる余裕はないが、
体育祭、文化祭、発表会などは、教師の悩みの種でもあるので、アーティストに外注すればいい。すると、教育のニーズと合致するのでは。
悩む教師むけのワークショップも。
地域でアートプログラムを実施する団体は力をつけてきている。その力を統合して社会に働きかける力がもっと必要。
アーティスト→世論→政治が動く
100人で10枚手紙をかけば、1000人に伝わる。毎日やってみろ。

○解決策3
戦略的に「アート」という言葉を使わない。言葉に拒否反応をもつ日本社会では「コミュニケーション」「クリエイティブ」といったほうがわかりやすい。または、「人材教育」

○解決策4
アートがコミュニティーに発展すると、
①アーティストが生活していけるようになるかもしれない
②おもしろいアーティストが生まれるかもしれない
と、アーティスト自身に興味を持ってもらえるように工夫する。

○解決策5
励ましあうこと

今回の討議には東京のアートセンターや全国の公共施設の方々を中心に、100名ほどが大きな輪になって意見を出し合った。
中でも、元教師で、現在大学院で臨床心理士の勉強をされているスクールカウンセラー志望のダンサーおばちゃんや、京都子ども芸術大学の笠原さん、芸術家と子どもたちの堤さん、京都の小学校教員糸井登さんのお話が面白かった。